音楽のプロとアマチュアの違いとは
音楽のプロとアマチュア、
つまり「お仕事か趣味か」というお話を音楽面から多方面から見たお話をしたいと思います。
プロとはいわば、「その道でお金をもらっている人間、それで生活をしている人間のこと」を言います。
よく人に「好きなことを仕事にできていいですね」とか
「音楽が仕事なんてカッコイイ」とか勝手にイメージで言われてしまうことがあるのですが、
(音楽だけでなく、なんとなくそのお仕事の勝手なイメージとかカタカナ職業だったりとか)
どんなお仕事もそうだと思うのですが、そこに到達するまでの苦労やプライベートでの苦悩、また浮き沈みの激しい中、常に第一線とまではいかなくともずっとコンスタントにお仕事があるかどうか、また続けられるか、
そういったことは一切見られていないし、
考えられていないのだろうと思うことが多々ありますね。
音楽という事柄に絞ってお話をさせていただきますと、
まず普通の音楽好きの方々は「音楽っていい通勤通学の電車の中スマホで聴いているし、車の中でも常に音楽をかけている」という方が多いのではないかと思います。
ところが私は「仕事上、クラシックもJAZZもポップスもj-popも聴く」
コレは 聞く ではなく 聴く の方で、
いわば「身を入れて聴く」ということ。
音楽を仕事にしている人たちは総じて
さらっと流れているBGM的に聞くのではなく、
全身レベルで力を入れて聴いてしまうのです。
だから耳というようりも脳がとても疲れてしまうことがあり、
車では音楽などいらないし、
電車の中では人間ウォッチングするか頭の中を空っぽにしたいと思っているのです。
これは音楽をお仕事にする人ならみな同じだと思います。
それとですねお店に入ったとき。
それが有線で選曲がJ-POPの場合、「あー、今はコレが流行っているんだなぁ」とリサーチできるし、大体2回ほど聴けばどんな曲か覚えてしまう。
これはとても便利。
ところがそこが飲食店の場合。
かかっているBGMがJAZZだったりする時、
JAZZが好きだから聴き入ってしまうのです。
そのゆえ食事や会話に集中できずなぜか仕事をしている気分になってしまうのですよ・・・・。
出合った人が仕事ではなく音楽が趣味の方の場合。
生徒さんなら何の問題もないのですが、そうじゃない場合、
こちらがピアノ講師だというと「今度一緒に連弾してください」とか
「伴奏お願いしたいんですけど」など言われることもしばしばあるわけです。
こちらは仕事として音楽をやっているわけで、
相手は会社員という立派なお仕事がある上で趣味で音楽をやられているわけで、
私としては仕事の延長線上になってしまうか、
本業が忙しすぎて出来ませんといっても理解してもらえず。
これは別の分野でも特殊な仕事をされている方やお仕事で一日中パソコンの画面とにらめっこしているような方がプライベートでパソコンについてあれやこれや聞かれたり制作を頼まれたりするのは・・・というのと同じかと思います。
作曲家やアレンジャーの方々は日々何十曲何百曲と曲に携わっています。
それには締め切りに追われ、時には煮詰まることもあり、
中にはレコーディングの真っ最中に「明日までにもう1曲作らなければならない」というプレッシャーとの戦いで徹夜することもあります。
もう一つ、売れなければならない、売れる曲を書かなければならないというとてつもないプレッシャーがあります。
趣味で曲を作っている場合、そこには締め切りもありませんし
??な曲を作っても誰にも叱られることはありません。
これがプロとアマチュアの違いなのです。
趣味は楽しめればそれでいいのですから。
もう一つ、これはフリーランスといわれる職種全般に言えることなのですが、
大学を卒業してどこかの会社に就職してお給料をもらうようにいきなりその職業で生活ができるわけではありませんし、また生活が出来る保障などどこにもありません。
これは音楽家・役者・作家などその他にもありますがすべてのフリーランスに言えることです。
TVに出ている歌手の方々、役者さん、芸人といわれる方々はパッと出てきたわけではない人達ばかりです。
そこに到達するまではなかなか売れなかったり、食べられなかったり、
屈辱も、また嫌な仕事も嫌な顔をせずこなしたり、すごい方々も下積みいわれるような仕事を10年もやった方達がたくさんいらっしゃるのです。
それらを乗り越えた上で今がある。
そういうことを乗り越えることができてはじめてその道のプロと言えるような気がします。
才能・運・努力・どんな人と出会うか・1つ1つの仕事を淡々とこなしていくこと・決してあきらめないこと
これらがすべて合い絡まって成り立つと思いますね。
柴田音楽教室