音大出ても食えないってホントなの?
音楽大学のイメージは在籍している学生・卒業生と一般の方から見た見方が相当違います。
■一般の人から見た音大のイメージは
●音楽をより深く極めたい人がいく大学。
●音楽を仕事とすることを希望する人がいく大学。
この2つです。
音楽大学を出てから音楽の仕事をするためにはどうすればよいのでしょうか?
それは在籍中から色々な情報を取り入れて自分から動くことが大切です。演奏する仕事と教える仕事では求められることが全く違います。比較的安定して収入を得られるのは教えることでしょう。
演奏する仕事は聴衆の反応を真近に感じられ大変魅力的ですが実際には旅から旅。
演奏だけで収入を得ようとすると複数の仕事を同時進行で掛け持ちをしなければならなく、また運の部分が大きいこともあります。
また、演奏が上手ければコンクールで賞を取り続ければ仕事が増えるというのも視野が狭い考え方の一つになっています。
演奏の仕事はしたくても教える仕事はやりたくないという方もおられるでしょう。
でもそれが通用するのは2,30代の間だけで男女ともに年齢が上がると体力的にかなりしんどくなります。
教えるスキルも若いうちから身に着けてトライ&エラーを繰り返していくことで熟練されていきますのでぜひとも演奏と指導両方のスキルを磨いていきましょう。
また昨今は社会の構造も変わり一般に出回っているような教え方だけでは音楽レッスンが成り立たなくなってきています。
コミュニケーションスキルや咄嗟に対応する能力、外見を磨くことや先を読む力も必要不可欠となっています。

■実際に音大または卒業した後の現状
一部の音大を除いて大半が
「クラシック音楽のみを深く学び極める学校」として存在しています。
■音大を出ても食べられないはウソ
そのように言ってる人を観察すると次のような共通点があります。
①一般大学の学生が就職活動を当たり前に行うのと比較して4年次になっても卒業後どうするかに際して動いていない(大学院生も然り)
自覚がなくてもこういうところが一般の方から「お坊ちゃま、お嬢様」と言われる所以。
何になろうかどうしようかというのは自分が決めることであり、そのためにどう動くかです。
できれば3年次あたりからネット検索で時間をかけて色々調べてみたりする必要があります。
②例えばの話ですが「法学部を出てもみんなが弁護士になるわけじゃないし」「音大を出ても必ずしも音楽の仕事をするわけじゃないし、音大って趣味の延長でしょ?」みたいな
例を挙げている人がいますがそれは負け惜しみや芸術分野をわかっていない外野が言うセリフだと思います。
たとえば「医学部」はどうでしょうか?
医学部を出て医者にならない人を見たことがありません。
医学部を出て医師免許を取得して医師になってもそれをやめて作家業や他の職種についている人はいることは確かですが。
そもそも芸術分野というのは決まった料金相場や安定した収入を確保できないのはいつの時代もみんなが周知の上の話だと思います。
③クラシック音楽の分野だけに特化・執着しるぎること
これが最大の理由ではないかと思います。
先にもお話した通り一部の音楽大学を除いて大半が「クラシック音楽に特化した授業とレッスン」
これを学生全員が4年間同じ校舎で洗脳にかかられているのと同様なことに全く気が付いていない人が大半。
卒業してから社会に出た時のことを考えてみましょう。
コンサートに来てくれるお客さんも教えるにあたって来てくれる生徒さんは大半は「一般の方」です。

あなたのことを気に入ってファンになってくれる人はあなたの奏でる音楽やあなたの人柄や容姿など総合的に好きになってくれるわけです。
みんなが聞きたい音楽は必ずしもあなたが長年勉強してきたクラシックとは限らないのです。
中には「自分のやりたい音楽、目指しているものとは違う」と気が付く人もいるでしょう。
ポップス業界で音大出身の人は一部上記のような考え方に陥る、そういう人がいたりします。
(こういう方は売れていたり有名だったり音楽業界で活躍している方が多い)
つまりどういうことかというと「クラシックだけに特化して物事をとらえすぎるから視野が狭くなり音楽的にも広がって行けず結果として仕事に恵まれない状況になってしまう」のではないでしょうか?
ですから卒業してからも常に新しい音楽を勉強していかなければなりません。
「私は僕はクラシックしか知らないし弾いてこなかったのでそれだけを弾きます、教えます」
このような考えでは仕事を取っていくことは難しいでしょう。
ポップスのジャンルに精通していく必要があるのです。
そうすることによって誰かの歌のバックでピアノを弾いたり、バンドユニットの一員としてピアノのお仕事の幅が広がります。
何かのお仕事でピアノ伴奏を頼まれたとき、それがきっかけで次から次へと仕事が舞い込んでくる連鎖が起こることがあります。
それはあなたの人柄や雰囲気だったりすることも大きいのです。
一定のジャンルに固執した人よりもオールジャンル弾ける人、特に「コードでピアノが弾ける人」が重宝がられます。
ポップスの世界ではコードで弾けることがあたりまえですから。

大学ではこういうことは勉強してきませんでしたね。
ですから卒業してからでもコードで弾ける勉強をしていくべきだと思います。
一般の方はクラシックマニアの一部の方を除いてこのように考えている方もいらっしゃいます。
「クラッシックは敷居が高くお付き合いでは聞きに来ることはあるが、自分から習いに行こうとはなかなか思わない。
子供の頃ピアノを習っていたがクラシックしかやらせてもらえなかったし、音楽は好きなのに普段好んで聴いている音楽とあまりにも世界感がかけ離れすぎていてだんだんつまらなくなって辞めてしまった」
しかし興味がある方は一定数いらっしゃると思いますので大衆にもっと寄り添った音楽
(演奏時の服装も含む)を数多く行えばコンサートに足を運んでくれる人が増えていく要因の一つになるのではないでしょうか?
たとえばコンサートでもクラシックに絞ったプログラムではなくポピュラーな音楽をレパートリーに加えてみるなどすると親近感がわいて一般の方もリピートして下さる確率が高くなるでしょう。
■コンクールで賞を取って有名になれば生徒が集まる、コンサートに足を運んでくれると思っている
これは一過性のものであってメディアに登場し続けなければいけません。
メディアに登場し続けるということは一種「タレント」にならなければいけないのです。
●●コンクールでたくさん賞を取っている
●●音楽大学出身、海外留学をしているから
これもひとつのブランディングです。
けれどもそれだけで生徒をたくさん集めるとかコンサートにたくさん集客できるというのは大昔の話。
メディアがTV主体だった時代です。
SNS界隈で流れてくるものを目にしても未だにコンクールで勝つことが大事というような、
同業の間で知らぬ間に文字による洗脳や戦いが多く見受けられますがこういった投稿は未来の生徒になってくれる人やコンサートに足を運んでくれるお客さんには全く響きません。
響かないどころかむしろ「怖い人」の印象を持たれてしまいます。
もう一つは「頼んでもいないのに演奏動画をSNSに演奏動画をupすると批判、評価コメントをつける」
これは幼少期からのピアノレッスンで常にピアノの先生から「否定的言語」を浴びせられたり音大での授業の評価から「誰かの演奏には評価をするもの」が癖になっているのからです。
自分では感想のつもりでも同業からのコメントは大体評価やダメ出しになっています。
そして演奏動画をupした人は趣味で習っていたり弾いたりする動画を上げている方もいます。
そういう方に頼んでもいないのに感想と称して批判やダメ出しの深層心理は嫉妬以外の何物でもなく見ている人たちに大変不快な思いをさせています。

一般の方はどんな人でも最初にピアノに触れる瞬間、幼少期はスタートはみな同じなんです。
●楽しくピアノが習えればいい
●楽譜が読めて1人で好きな曲が弾けるようになりたい
このような思いでピアノレッスンをスタートする人がほとんどなんです。
■自分が得意なジャンルを持つことは大切だが音楽性の幅を広げていこう!
たとえばクラシックにはコードが付かないので楽譜通りに忠実にということが第一に求められるがコードで自由に楽譜になっていないことを弾く勉強をしてみる。
一般の方はピアノというとクラシック音楽をイメージする方も多いが、じつは「ジャズテイスト」のサウンドを取り入れるとメチャクチャ喜ばれます。
無意識に耳が心地よいのでしょう。
ガチガチにジャズピアノじゃなくても一般のポピュラーピアノと一味違ったサウンドにするためにはコードにテンションノートを入れてみるといいんです。
■同じピアノという楽器でも他の人と差別化を図って「あなただけの世界感を作ること」
みんなと同じ曲を弾いてもいずれは飽きられます。
■柴田音楽教室では「あなたが他の人とは違う世界感を作り出すお手伝い」として
3つのオンラインピアノレッスンをご用意しています。
●ラウンジピアニストレッスン
いろいろなシーンでお客様に喜んでいただける演奏ができる人に。
コードでピアノを弾いたりクラシック以外のジャンルやどのような選曲で演奏すると良いのかをレッスンで楽曲レパートリーを増やしながらお伝えしていくレッスンです。
●コードで弾くピアノレッスン
コードでピアノが弾けるようになるにはコードを暗記するのではなく、体系的に3コードから派生させて学んでいくことが大切です。
お勉強的なレッスンではなく問題を解きながら実際にコードで演奏することを目的にしています。
基本的な3コードの付け方からジャズテイストなテンションを付けて演奏できるまでお手伝いします。
オンラインライブレッスンで学べるので遠方の方もご自宅から対面と同じレッスンを受けることができます。
●ジャズピアノレッスン
一般のジャズピアノのレッスンは専門用語が頻繁に出てきたり難しいことをやらされて挫折する方が多いです。
クラシックピアノとは考え方も弾き方も全く違いますが、ポピュラーピアノの弾き方とは違ったジャズっぽい弾き方に慣れることが大切。
コードと同時に習えるので急にお客様からリクエストがあった時にとても役立つこと間違いなし!
いかがでしたでしょうか?
クラシックという一つのジャンルに固執せずに幅広いジャンルの音楽をやってみる
演奏の仕事は積極的に自分からさがして当たってみる。
いろいろな人、場所に声をかけてみる。
何かのお仕事から次から次へと連鎖してお仕事が見つかったり声をかけてもらえるようになるかもしれません。
教える仕事も積極的に若いうちから行っていく。
生徒さんは上級者ばかりではありません。
子供を含めるとむしろ初心者、はじめて習う人の方が圧倒的に多いのが現状です。
あなたがピアノを始めた時のことを思い出してください。
キッカケは何でしたか?
普通の人より長く、深く音楽を学んできましたが世の中実はそうでない人の方が圧倒的に数が多いのです。
そういう人達へわかりやすく、そして楽しく音楽やピアノに触れていただく。
このことをぜひ頭の隅に置いてくださいね。
この記事を書いた人
柴田里枝子
