- 2022.02.09
- できる子に育てるピアノレッスン~家庭練習の習慣をつける~
-
ピアノを習っていてどのようにすれば総合的に上達できるか
(総合的にということは演奏レベルを上げていくことや
表現力・音符、楽譜を即座に読み取りそれを音として表現できる読譜力・聴音力
さらには即興能力・作曲能力など)レッスンで落ちこぼれないようにするためにはどうすればよいのでしょうか?
① 「家庭でどの程度かかわったら良いのでしょうか?」
② 絶対音感は2,3歳くらいから身につけさせないともう遅いのですか?
③ 練習しなさい!と言わないと練習しない。
言うのと(練習を促すこと)と怒る、叱るのとは全然違いますのでどうかご注意を!!過去のよくなかった実例や現在レッスンを受けている生徒さんでよい例、
そしてなぜその人はうまくいくのか?
を具体的なお話とともに綴って参りたいと思います。
まずですね、「何歳からはじめればよいかの?」
この質問ですが一概に何歳から始めたから良かった、遅いということは言えませんね。
情報過多な昨今、周囲の意見に流されてたりあせって
2歳や3歳からはじめる必要などありません。
どうしても小さいウチから音楽に触れさせたい、とお考えでしたら
ピアノなど楽器の個人レッスンをいきなり始めるよりも、
ご家庭でいろいろな音楽を流すとか、お母様にピアノの経験がおありでしたら、
まずはご自身が簡単な曲をご家庭で弾いている姿をお子さんに見せるなど
お母様自身が楽しんでいる姿を見せることも大切かと思いますね。
それと具体的なピアノレッスンを始める前段階として「リトミック」などをおすすめいたします。
興味を持った時にはじめるのが一番効率よく上達できるのです!
「本人が何が何だかわからないまま連れてこられた。お母様に言われたから半ば仕方なく通っている。」
これは絶対にいい結果を生みません。習いに行けば弾けるようになるなんてことはまずありえない、と思って下さい。
興味のないことは吸収しませんし、上達もしないのです。
覚える気持ちがないものは習得できないと思います。
お子さん本人にある程度は積極性が見られないとレッスンはまず上手く行きません。
そのような時期や本人が興味をもたないまま習っていても
(正確には習わされているだけなのです) 過去の指導経験からみて、まずほぼ100%に近い確率でレッスンはうまくいきません。
本人は苦痛以外の何ものでもないのです。
お家でお母さんはつねにガミガミ言わなくてはなりませんし
当然練習はしないため上達することもないのです。
練習嫌いなのは、興味がないから
興味があれば何歳だって喜んで鍵盤に触れています。
だからレッスンでも上手くいくのです!
ゲームなどに夢中になりすぎるため
お稽古ごと自体が多すぎて集中できていないため(お稽古が多くても、それをこなせるお子さんとそうでないお子さんがいます。)これはいつの時代も同じなんです。
実際、私と同世代の知人でも本人の意思とは関係なく習わされた人は
男女ともまったく音楽の感性が身についていません。
「両親が共働きのため、保育園や今でいう学童保育がわりにたくさんお稽古ごとをさせられた」
「ピアノが家にあってもクラシック大嫌い。ピアノ大嫌い」
「中学くらいになってクラシック以外の音楽にめざめても、
それをまるで教師に人格否定するような言われ方をして
(クラシック以外は音楽と認めない、とか)
それ以来ピアノが嫌いになってしまった」
(これは教師側がクラシックしか勉強してこなかったため教えることができないからなんです)特に男子は自分の興味のあることしかやりませんし伸びません。
その代わり、興味を持ったことへの集中力は女子の比には値しません。
ですからいくつであっても「本人が何かしらの理由で習いたいと言い出している場合」は
その興味を削ぐことなく、いかようにもしてあげられます。
音楽が好きであればたとえ”受験期”でもペースを落としながらでも
レッスンは続けることができます。
受験期でもペースを落としてでもレッスンを続けるには
その年齢に至るまでに基礎力を確立させることですね。
基礎力がしっかりしてさえすれば、あとは好きな曲だけ弾くなどしても大丈夫なんです。建物を建てる時、基礎・土台がしっかりしていればうわものは
後からいかようにもできるでしょう。
そしてその時、その時の興味のある作曲家や興味のあるジャンルを
いろいろとやらせてあげればいいんだと私は思いますね。
年長児・小学1年からはじめて、集中して練習して教室で常に上位のレベルにいる生徒さんは何人もいます。
うまくいく生徒さんには共通しているいくつかの生活習慣があります。
- 何らかのキッカケで自分から習いたいと思った
- 元々、家庭の中に音楽が流れている環境にあった。
- 練習することが苦になっていない。 簡単に弾けなくてもすぐにあきらめない。
- 負けず嫌いのところがある。多少なりとも競争心がある。
- キチンとあいさつができる。年齢に関わらず「習う」という姿勢がもうすでにできている。
上記の事柄があてはまるかと思います。事実、教室に通っている生徒さんで上達傾向にある生徒さんは年齢に関わらずこれらのほとんどに当てはまっていますね。-
家庭でどの程度かかわったらよいのかがわからない。
-
という多くのお母様方のご意見から。
幼児や小1のうちは家庭での練習の際には必ずそばに付き添ってあげていただければと思いますね。
これは字をおぼえたり チャ○ンジなど家庭で行うドリルもそうなんですが、
幼児のうちは「やろうね、やってね」のお声かけだけではま~~~ずやりません。お母さんが横についてあげることで安心し、そしてできたことを一つ褒めてあげる。
できないことを極度に責めない。時間をかけて先生にまかせる、くらいのお気持ちで。
是非ともこの習慣をつけてくださいね。
この習慣を最初につけることができるか否かで後々のレッスン状況も上達も進度も大きく変わってくるのです。
教室でレッスンを受けている生徒さん達を見ていますと、
家庭練習において習い始めの1年くらいはなかなか上手く弾けない箇所があっても淡々と練習をこなしていき、徐々に親離れ子離れしていき、やがては一人で練習するようになっています。
幼児のうちは「レッスンに来ることが楽しい!」ということがまず大切ですが、
小学生になるとそればかりではいけません。
まず、学習習慣 つまり練習習慣ですね。
あと、レッスン時間ははダラダラさせない。無駄な時間は作らない。キビキビと。この習慣・空気を徹底して教室で作っていきます。
それに加えて習いごと、勉強をする時の基本的な態度やマナーですね。
レッスンのはじまり、終わりにはきちんとあいさつができる。
レッスンがうまくいき、キチンと上達していくお子さんは、まず、あいさつが元気よくできています。
それに加えてレッスンを待っている時は何もいわなくても
学校の宿題を熱心にやっていたり読書をしています。
それと忘れ物をしない、レッスン時にはきちんと話を聞ける。 など。
これは学校生活と同じなのですが、学ぶ以前にこういった態度・マナーをしつけていきます。
これはお母様の力・ご家庭での空気が大切で、
たとえ4歳児でも最初からこのことができているお子さんが大半です。
これができていないお子さんは厳しく言い続けていきますね。
家庭での練習習慣ですが、ピアノを単なるお稽古の一環とお考えでしたら音楽の楽しさや上達を身につけるのは難しいかもしれません。
お母様方の中には子供の頃、ピアノレッスンをご経験された方々が多いかと思います。
「ピアノを習っていたけれども今は全然弾けない。
それどころかただ○○レベルくらいまでは行ったかもしれないけれどそれが後に役立っていない。練習曲がつまらなかった。ただ、ピアノを習っていましたという過去があるだけ」
こういう方がどれだけ多いことでしょう。
これは従来のピアノレッスン方法が画一化されていて、
日常の音楽とあまりにもかけ離れているからなんです。
クラシックを聴いたことがないのにピアノのおけいこだけがクラシック曲のみ。
日常と融合できていないがため、練習がつまらない、レッスンにただ通っていただけ。
先生方も世代問わず未だに音大の中でしか通用しないことを
ネット上で語っていたりHPに記している方が多いですね。
一度音楽の世界と違う一般の仕事をされてみると
いかに一般人には通用しないことが多いのかがわかると思うのですが。
せっかく音楽教室に通っているのですから、
ここの教室でしか習えない音楽をたくさん提供してあげたいじゃないですか。
偏った音楽性で視野の狭い人間を作りたくない、というのが私のモットーなのです。
これはいつの時代にも言えることなのかもしれませんが、
「ピアノが単なるお稽古で生活そのものに音楽というものが根づいていないから」なのです。
家で音楽を聴く習慣もないし、誰も大して見てもしないTVが垂れ流し状態。
これでは音楽に興味を持つハズがありません。
ですから是非ともご家庭で音楽が流れているような環境を作っていただければと思います。
楽しい雰囲気の中でも早い段階で基礎を固めて上達させることはできるのです。